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蛍光X線分析法(XRF) 波長分散型とエネルギー分散型の違い

 (XRF:X-ray Fluorescence Spectrometer)

 
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 蛍光X線分析(XRF)における2種類の検出器(波長分散型、エネルギー分散型)の特徴の概略については、すでに蛍光X線分析の項で述べているが、ここでは改めてその特徴をまとめる。


 波長分散型 エネルギー分散型 
分光方法   分光結晶を用いて特定波長だけが検出器に到達するようにして測定を行う。通常、複数の分光結晶を測定波長(元素)に合わせ切り替える必要があるため、機械駆動が必要でその精度が要求される。  一つの半導体検出器で全領域を分析でき、機械駆動部分もほとんどない。
分解能   およそ10eV程度のエネルギー分解能を持つ。このことから、隣接するピークの切り分けなど、高精度な測定が可能。  エネルギー分解能は150eV程度である。このため、重なり合うように隣接するピークの切り分け、高精度な分析などは難しい。
バック
グランド
 散乱X線などの影響も少なく、バックグランドは一般的に低い。  散乱X線の影響が大きく、一般的にはバックグランドは高い。ただし、近年は検出器の改良で以前に比べると低くなっている。
感度
検出下限
 数ppm程度の検出下限が期待でき、微量成分の評価に適している。   通常10〜20ppm、元素や装置によってはさらに悪いこともある。ただし、 近年は検出器の改良で改善されてきている。
測定時間  測定波長範囲にもよるが、一般的には長い。   一般的には短い。 
装置  複数の分光結晶が必要なことから、一般的には装置は大型のものとなってしまう。   非常に小型の装置とすることが可能であり、卓上式はもちろん、ハンディタイプの装置なども販売されている。  


 以下では、ラボレベルで一般的に使用されるエネルギー分散型を中心に説明する。


  • 帰属できないピークがある
    予想の組成と合わない
    目的に合わせた測定条件が分からない
    サンプリングの方法が分からない
    きれいなスペクトルが取れない

    こんな時はJRLにご相談ください

 エネルギー分散型蛍光]線分析装置は、測定が波長分散型とはことなり、多元素同時分析であることから、迅速・簡便に含有元素をすぐに分析することができる。また、装置構成も単純であることから、波長分散型に比べて、前述のように小型できることはもちろん、安価に実現できる。また、光学系、検出系の配置自由度が高いこともあり、試料室や試料配置に様々な工夫が可能ななことから、幅広い試料形態の分析が可能となる。


 ただし、上記のように、バックグラウンドが高いために検出下限値が高く、分解能が低いために高精度な分析は困難である。また、検出器の特性上、軽元素側で感度が低下する傾向があることから、測定対象物が軽元素中心のものである場合には不向きと言える。さらに、別項(蛍光X線分析法(XRF) 妨害(ゴースト)ピークについて)で述べているような様々な要因によってゴーストピークが現れることがあるので、解析には注意を要する。
 これらの影響を軽減するために、エネルギー分散型の装置では、フィルターなどを用いて励起X線の波長を狭小化(単色化など)することによって、白色X線で発生するバックグランドの上昇等を抑制するような工夫がされている装置もある。



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