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有機元素分析の原理・特徴

 
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 有機元素分析では、有機化合物の主要構成元素である炭素、水素、窒素の含有量を燃焼分解により定量的にH2O,CO2,N2に変換し,これらの各成分を熱伝導度検出器により定量することによって、C,H,Nの含有量を決定する。


有機元素分析模式図


 実際の測定では、試料を秤量した後、燃焼炉に入れて燃焼分解させる。これによって、有機化合物は数百度の温度で,熱分解し低分子気体となる。そして、気化せずに炭火物として残留したものは、酸素を含むHeのキャリヤーガスを流すことで熱酸化分解して気化させる。これらの気体を酸化銅,サルフィックスを充填した酸化炉及び還元銅,銀粒を充填した還元炉を通過させることによって、完全にH2OとCO2に酸化させた後,還元銅で窒素酸化物の還元と過剰の酸素の除去を行い、H2O、CO2、N2としてHeと共に送出する。そして、それぞれを熱伝導検出器によって検出、H2Oから水素、CO2から炭素、N2から窒素の元素組成を得る。なお、サルフィックスは硫黄、ハロゲンなどの妨害元素除去剤としてを充填している。


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 ただし、原理的に酸素を直接的に定量することはできない。したがって、酸素量については、全量から水素量、炭素量、窒素量を除いた残分から計算することになる(水素、炭素、窒素、酸素以外の元素が含まれる場合には、別途それらの元素の定量を行っておく必要がある)。


 有機元素分析は、特に新規有機化合物などにおいて、基本情報である化学式決定には欠くことのできない分析法の一つである。定量性、精度も高く、秤量を正確に行うことで繰り返し再現性も高い水準で実現できる。



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