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ゲル浸透クロマトグラフ(GPC)の原理・特徴

 (GPC:Gel Permeation Chromatography)

 
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 サイズ排除クロマトグラフィーの一つであり、HPLCの分離モードのひとつでもある。細孔(ポア)が数多く存在する充てん剤を用いたカラムを用い、そこに対象物溶液を流す。大小の溶質分子がカラム内を流れていく際に,小さい溶質分子は充てん剤細孔(ポア)の奥まで浸透しながらゆっくり流れ,大きい溶質分子は細孔に入らないで早く流れていく。その結果,カラムからの溶出は大きな分子が速く小さな分子は遅くなり,分子の大きさによるふるい分けを行うことできる。この原理を利用したものがGPCである。一般には、疎水性充てん剤と非水系(有機溶媒)移動相を用いて合成高分子の分子量分布測定を行う目的で利用される。なお、水系のものをゲルろ過クロマトグラフィー(GFC)と呼ぶこともある。


GPC原理図

 分子量の計算方法は、まず、分子量既知の標準混合試料を測定し、各ピークのピークトップの溶出時間と分子量から、較正曲線を作成する。続いて実試料を測定し、各溶出位置における信号強度から試料濃度を、較正曲線から分子量(相対分子量)を各々求めることになる。標準試料には一般的には、主にポリスチレンが用いられている。

 溶出成分の検出にはいくつかの検出器が使い分けられており代表的なものとしては、屈折率計(RI)、UV吸収などがあげられる。RI検出器は、比較的オールマイティな検出法であり、溶液と溶媒の屈折率差がある程度存在すれば検出することが可能である。UV検出器も広く使用され、グラジエント分析などのように溶媒組成が変化して、それに伴って屈折率も変化するような場合にはRI検出器が使用できないためUV検出器が有効になる。ただし、対象物がUV領域に吸収を有するような構造(例えば、ベンゼン環など)を持っている必要がある。また、フォトダイオードアレイ(PDA)検出器を用いることで、多波長領域を検出対象とするような装置も開発されている。

 この他にも、粘度計、光散乱検出器などがあり、さらに、近年ではIRによる特定成分(構造)の検出や、GPCを分離前処理ステップと位置づけて、分取物を様々な分析法で解析する方法も広く活用されている。

 主な用途としては、前述の高分子材料の分子量分布の評価などのほか、特定の分子量成分だけを取り出す抽出などにも用いられる。


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 注意しなければならない点として、サイズ排除クロマトグラフィーは、基本的に分子の大きさでふるい分ける手法であることがあげられる。しかし、分子の大きさが同じであっても、その構造がかさ高く疎であるような密度の小さいものは分子量が小さく,密な場合には分子量が大きいということがある。特に高分子の場合、用いる溶媒が良溶媒か貧溶媒かによって分子鎖が拡がったり,密になったりすることがある。すなわち、溶出位置(時間)だけでは分子量を特定できないことがある点に注意しなければならない。



 従って,マーカー(あらかじめ分子量がわかっている標準試料)と測定対象試料の物質の性質が大きく異なっている場合には、分子量や分子量分布が正確に計算で きないことがある。理想的には測定対象試料と同一構造のマーカーを用いることであるが、現実的には困難である。そこで、実際の測定では可能な限り対象試料と構造が類似しているマーカーを用いるか、Qファクタ (単位鎖長さ当たりの分子量)などの補正係数を用いるなどの工夫が必要である。

 さらに,試料成分と充てん剤との間に相互作用(吸着,イオン交換等)があると正しい分子量分布を知ることができない場合がある。これは、例えば分子量が大きくても(サイズが大きくても)充填剤との相互作用が強い場合には溶出時間が長くなり、見かけの分子量が小さくなってしまうことによる。この現象は水系のゲルろ過クロマトグラフィーで発生しやすいと言われている。このような場合には、相互作用を減少させるために塩類を試料溶液に添加するなどの方法が有効なことがある。



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