MECE、フレームワークだけではないロジカルシンキング（論理思考）の考え方

ロジカルシンキング研修
論理思考の方法

　ロジカルシンキングや論理思考という言葉はほとんどの人がどこかで耳にしているはずである。人事研修やセミナーなどでも必ずリストに上がるものと言える。そして、それらの人事研修やセミナーを受講してみると、その多くはMECEやフレームワークといったものを中心に構成されている。そのため、ロジカルシンキング、論理思考と言えばMECE、フレームワークといった類のものであると理解している人も少なくない。しかし、本来のロジカルシンキング、論理思考は当然ながらそんな単純なものではない。

　前述のように一般的にロジカルシンキングとして説明されているMECEやフレームワークは手段、テクニックの中の一つでしかなく、これらは事実に基づいてロジックを構築していために用いるものである。しかし、ロジカルシンキング、論理思考が最も必要とされるものの一つである開発等は不確定要素の塊のようなものであり、全ての必要な事実、情報、データは得られていないことが通常である。だからこそ、開発するのであり、そこに開発の意味があるとも言える。このように、マッチしない状況（基にする事実、情報がまだない状態でそれらを用いる手段を適用しようとする）を組み合わせることを強いるような説明になっていることが、一般的な人事研修やセミナーでロジカルシンキングや論理思考の教育や指導を受けても実務に活かせない理由の一つである。

　多くの人事研修やセミナーなど世の中で一般的に説明されているMECEやフレームワークに当てはめることがロジカルシンキング、論理思考ではなく、それらは単に説明しやすい手段の一部だけを切り出しているに過ぎない。それらは、単に説明が楽だからそのように構成されているだけである。

論理思考というものが分からない
上手く思考が整理できない
ロジカルシンキングを実務で活用したい
形だけの知識になっている
論理思考になっているか分からない

　では、ロジカルシンキング、論理思考とは何か、それは情報の解析をもとにして仮説と予測によってロジックを構築しいくことである。前述のMECEやフレームワークなどはこの情報の解析を行うための手段の一つでしかない。そして、優れたロジカルシンキング、論理思考とは、より少ない情報で仮説を構築して予測を立てることである。そのためには、情報や事実、状況を客観的に見ると同時に俯瞰的に観察することが必要不可欠である。そして、ロジカルシンキング、論理思考においては多面的に考えること、特に逆視点で対象を観察して考えることが重要である。

　また、ロジカルシンキング、論理思考においては構築したロジックの妥当性を検証し、論理の飛躍や矛盾が無いかなどを検討することも重要である。そうやって、論理の飛躍、ロジックの矛盾を一つずつ潰していくプロセスもまたロジックの構築である。そして、このような論理の矛盾を検証していくことは、開発において最も重要なものの一つである仮説や予測の検証を行うことでもある（仮説構築については別項１、別項２参照）。そうやって、ロジックに矛盾があるのか、仮説や予測に問題や矛盾があるのかを相互に検証することで全体の精度と確度を高めていくのである。例えば、前述した逆視点や多面視点、俯瞰視点でみることはもちろん、構築したロジックや仮説を否定する論理の妥当性について検証するなど様々な方法で検証することが重要である。

　そして、論理の検証においては最終的には「納得できるか」が最も重要であるとも言える。腑に落ちない、気になる、モヤモヤするときはどこかに論理の綻びが存在しているはずである。そういったところに光を当てて潰してしていくこともロジック構築の重要なプロセスである。

　ロジカルシンキング、論理思考の多くは開発などの技術分野で用いられることが中心となるが、本来は全ての分野で必要なことである。技術分野以外であっても、その考え方、行動の妥当性、予測の検証、無駄を省いた効率化、事故やトラブル等の不測の事態の回避や、顧客の要求予測、経営・事業戦略策定などのあらゆる場面でコアとなるものである。従って、本来のロジカルシンキング、論理思考というものを理解して活用していくことが極めて重要である。

　この他にも様々なことがあるが、ここに示した内容やロジカルシンキング、論理思考をどう実際の業務で活用するかなど、詳細はセミナーや研修へご参加、コンサルティングを活用ください。

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