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社会における情報価値の変化


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 人類の歴史において、他人が知らない情報を持っているということは極めて大きな価値を持つことであり、そのこと自体が地位や権力の源となっていた時代もあった。例えば、長老と呼ばれる人たちやシャーマンなどに代表される人々は、薬草や森の知識などを持つことで集落の中で大きな信頼とそれに伴う地位と権威を得ていた。もちろん、情報を持つことの価値は今も根本的には変わらないと言える。

 しかし、インターネットを代表とする情報インフラの発達と共に情報に関する価値の「重心」が変化してきている。周知のごとくインターネット上には、現代社会におけるありとあらゆる情報が存在していると言っても過言ではない。もちろん、その中には個人情報に代表されるようにセキュリティーガードのために通常の手段では入手できないようなものも存在する。しかし、その存在状態は別にして、そこには存在しており、合法、違法によらず適切な手段を用いることができれば入手することは可能なのである。すなわち、適切な手段さえ用いることができれば、誰でも、いつでもあらゆる情報を入手できるということになる。

 人は、個人として維持、管理できる情報量には当然ながら限りがある。シャーマンの時代のように扱う情報量自体が少ない時には、情報は俗人的なものとして存在することになり、そこに地位や権威と結びつける道筋が生まれることになる。しかし、現代のように情報量そのものが膨大となり、個人の限界を超えるような状況になったとき、そして、理論上は適切な手段さえ持っていればいつでも誰でも情報を引き出すことができるようなったとき、「価値の重心」が変化することになる。

 すなわち、必要な情報を必要なときに入手する手段とスキルを持っていることが最も重要なこととなる。もちろん、必要な情報自体を全て自分の管理下に置く事ができれば理想的ではあるが、現代社会はそれを許さないといっても良い。前述のシャーマンに時代には、必要な情報はほとんど変化せず、口伝で伝えられるようなものであった。しかし、変化の激しい現代社会においては、必要となる情報の量は刻々と増大しており、且つ、変化している。それらに個人の情報管理能力だけで追随していくことはほとんど不可能と言っても良いであろう。このようなことから、条件さえ揃えばあらゆる情報を入手することができる現代においては、溢れる大量の様々な情報の中から埋もれる必要な情報を探し出せることが現代の情報における「価値の重心」となるのである。

 では、価値の重心に到達するためには、具体的にどのようなスキルが必要になるのであろうか。それは、情報を探し出す能力であり、言い換えるなら探す場所、探し方がキーとなる。すなわち、必要な情報がどこにあり、どのようにすれば取り出せるのかということさえ分かっていればよいのである。言い換えるなら、情報インフラの整った現代においては、必要な情報をいつも持っているということと、いつでも取り出せる状態にあるということは同様の価値なのである。

 しかし、いつでも取り出せる状態を維持する以外にもう一つ重要なファクターがある。それは、真に必要な情報が何であるのかということを理解していることである。無関係なものも含めて溢れる情報、そして、その中でも類似した数多くの情報中からターゲットを見つけ出すためには、より詳細にターゲットを絞り込む必要がある。そのためには、当然ながらより詳細にターゲットを理解していなければならない。そして、必要な情報を明確にするためには、目的、ゴールが明確に設定されており、そこにいたる道筋が思い描けている必要がある。必要な情報とは、その道筋を進んでいきゴールに到達するためのものなのである。

 また、情報の価値をより高めることも、現代においては重要となる。前述のように誰でも一定レベルまでの情報を簡単に手に入れられる状況にあり、その底辺レベルは着実に底上げがされていると言える。したがって、従来に比べて情報において他に抜きん出ることは容易なことではなくなってきている。もちろん、他が容易に手に入れられない基本価値の高い情報を手に入れるスキルを身につけることが重要であるが、現実にはそれは簡単ではない。

 そこで、ポイントとなるのは、そういった比較的容易に手に入れられるものも含めて手に入れた大量の様々な情報を組み合わせて、一つの新たな概念として自分のものにする能力である。そうすることで、新たな情報の価値を生み出すことが出来ることはもちろんのこと、自分自身が情報の発信源となることができるのである。情報の発信源は、その情報に対して支配権を持っていると言ってよく、情報の価値が高ければ高いほど社会に対する影響力が大きいことになる。

 すなわち、現代においては、溢れる情報の中から必要な情報を的確に素早く見つけ出すことができることはもちろんのこと、それらを元にして新たな価値を創造して、情報発信源となることが重要になるのである。



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