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多分野(メタフィールド)思考が重要で有効な理由


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 従来の最も一般的な技術開発は、特定の分野や技術に対する深掘りによる言わば単一分野レベルアップ型で行われてきた。確かに、日本のお家芸とも言える高機能化や高性能化と言った改良という技術開発にはこの単一分野レベルアップ型が適することが多い。しかし、現在は新興国にその座を奪われていることは周知のことである。

 ところで、故松下幸之助氏の言葉に「掘り抜き井戸」というものもあるが、これは検して単一分野レベルアップ型を示しているのではなく、全く違う意味で、やり始めたら途中であきらめずにやり通せと言う意味である。すなわち、途中で投げ出すなということであり、一つの領域に住み続けるといういみではない。また、分野領域いうことにおいて「強み伝い」という言葉も残されている。これも一つ分野で進んでいくという意味ではなく、無策に流行りや思い付きであちこち手を出すのではなく、得た成果を使い尽くせと言うことであり、掘り抜き井戸と通ずるものと言える。

 前述のように単一分野レベルアップ型で成長してきた日本が新興国にその座を奪われたのにはいくつかの理由がある。その一つは、コンピューターやインターネットを始めとする情報技術の発達によって容易に様々な情報が手に入るようになったことが挙げられる。二つ目に上げるとすれば、情報技術も含めた技術開発(改良)を助ける周辺技術の発達が挙げられる。従来はその周辺技術に相当する部分を知識や経験が担っていた。しかし、現代はオペレートのレベルでその多くの部分が実現できる。

 そして、単一分野レベルアップ型では創造、本来の意味でのブレークスルー(存在しなかったものが生まれる)が困難であるという限界が挙げられる。従来は技術自体が少なかったため、極論すれば何でも新技術になり得た。技術が飽和状態になると、そのような従来型のプロセスでは本当の意味での開発は困難となる。これは工業の分野だけでなくアカデミアの世界でも同様のことが言われており、従来のような一つの専門分野だけでは新しい仕事は難しい。

 このような状況で大きなブレークスルーを生むのが多分野(メタフィールド)融合である。すなわち、全く異なる分野の知識や経験を融合することで新たな技術を産み出すというものである。例えば、最近の例では食品添加物として使われる青色色素が脊髄などの神経修復を改善することが発見されたのは良い例と言える。技術者自身もインタビューに対して、「従来は全く異なる分野ということもあり、誰も試してみようとすら思わなかった」と答えている。このように、異なる分野には思わぬ宝が埋もれているというのが多分野融合の最大のパワーであり、この例のようにアカデミアの世界で何年も前から分野融合や融合分野という分野まで生まれている。

 このように、他分野でもその存在や効果が認知されていないケースだけではなく、ある分野では何年にもわたって未解決の課題が異なる分野においてはすでに完成していて常識のように使われているということも珍しくない。これも多分野融合、多分野思考の大きな効果である。そして、多分野融合による多分野思考では、考える引き出し、すなわち、オプション、選択肢が多くなることから、より良い最適解が見つかる可能性が高くなり、リスク回避、リスクヘッジの確率も挙げられる。もちろん、創造やブレークスルーのシーズも多くなる。

 このように特に技術開発においては、多分野融合、多分野思考は極めて重要なものとなっている。前述の世界において勝ち残る、創造する、新たなものを産み出すリーディングエッジに住まうためにも必要なものである。しかし、自社内に他分野を抱えることは巨大コングロマリットでもなければ難しく、それほどの規模の会社であっても逆にその規模が邪魔をして連携によるシナジーが得難いという問題がある。事業分野としてではなく、人材としてだけに限定したとしても、それほどの数の人材を抱えることは難しく、また、それを解決できるマルチ分野人材を育てることは難しい。

 こんな時の一つの方法が、本当に多分野の実務に裏打ちされた知識と経験を持つコンサルタントを利用することである。



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