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知識獲得における用語の意味と価値


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 様々な学習を行っていく中では、新たな知識や情報を取り込んでいくことになります。それらの中には、目に見えず言葉として現しにくいものと、言葉としてすでに表現されているものがあります。前者の代表はノウハウや技術と呼ばれるものであり、後者の代表は用語があげられます。

 人が生まれて最初に行う学習の代表的なものとしてあげられるものの一つに言葉があります。最初の言葉を覚えるためには、年単位という非常に長い期間を要します。しかし、その後一定のレベルに達した後は、加速度的に学習スピードが向上していきます。この理由には、非常に複雑で様々な要因がありますが、その一つとしてあげられるのが、それ以前に得ていた知識、すなわち、ここではすでに憶えた言葉、すなわち、既得知識によるアシストがあります。

 人は新たな情報に触れた時、意識的か無意識かにかかわらず、その情報を自分の中で咀嚼し、理解して、獲得します。この過程で重要な役割を担っているのが、新たな情報をそれまでの知識で説明するというフェーズです。このフェーズにも大きく2種類があるのですが、一つは漠然とした感覚的な説明であり、もう一つは文字通り言葉での説明であり、必要であれば口に出すこと、紙に書くことができるレベルでの説明です。言うまでもなく、後者の方が明確な理解を出来ることになります。

 しかし、この時全く知らない、予備知識の無い情報は説明することができず、全く理解できない、または、間違った理解をしてしまうことになります。有名な話として、「カンガルー」という言葉があります。欧米人がオーストラリアを訪れた時に、始めてカンガルーを見て、「あれは何という動物か」と指差して現地人(アボリジニ)に問いました。それに対して、「カンガルー」と現地の人が答えたことから、今日に至るまでカンガルーという名称が定着しています。しかし、実際には現地語で「カンガルー」は「知らない」という意味の言葉でした。

 このように、新たな情報を得る時に、別の言葉で説明できる知識、比較できる知識など基準とするものがあれば理解と知識の獲得を加速することができます。別の言葉で言い換えるなら、グルーピング(概念的理解、イメージ理解)の指標を持っていることが重要になるということです。

 先の例で言えば、欧米人は「カンガルー」という言葉を聞いて、本来の意味は分からなかったが、それまでの知識の中で状況とマッチするものとして動物というグループの言葉として咀嚼し、指定した動物の名前であると解釈したことになります。残念ながら、ここには大きな間違いがあったわけですが、人はそのようにして新たな知識を得ていく良い例であると言えます。


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 一つの分野には、たくさんの用語が存在します。同一の分野の中ではその知識を得るための基準(ベース)になり、その人たちとの情報交換に必要不可欠なものであると言えます。これもまた、用語の持つ大きな価値の一つです。そして、ある意味ではこれ以上の大きな意味を持つのが、異なる分野の情報に触れた時、特に、自分の専門分野とは異なる新しく踏み込んだ分野の情報に触れる時です。この時、既得の知識の中で類似のものを探して、どのグループに属するのかを考え、何とかしてそのグループの中の言葉で説明して、自分に理解させようと試みます。そうやって、新たな知識を獲得していきます。


 この時に重要となるのが、如何に多種多様な分野の多くの用語、すなわち、説明するためのパーツをたくさん持っているかが、その新しい情報を獲得できるかどうか、そして、理解度を決めます。どうしても、自分の持つ知識(用語)で説明できなければ理解できないことになってしまいます。

 ただし、数が多ければ良いというものではありません。それだけでは、索引の付いていない辞書を持っているようなものです。分野に関わらず、それらの知識(用語)をグルーピングして、相互に説明関係を構築して理解しておくことで、知識のインデックスが形成されます。用語は、ある意味では知識のインデックスであるとも言えます。このインデックスが構築されることで、新たな知識をスムーズに獲得することができるようになるのです。

 したがって、知識やその表現である用語は、その知識自身としての価値はもちろん、新たな知識、情報を得た時に、基準とするためのものであり、グルーピング(概念的理解、イメージ理解)の指標とするものであると意識することが重要です。そうすることで、新たな知識獲得がよりスムーズに加速され、深い理解ができるようになります。用語とは、偉大な先人たちが膨大な努力によって作り上げた、知識の究極の要約であるともいえます。これを有効に活用しないという手はありません。


   
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