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示差走査熱量分析(DSC)の使用・応用例 反応解析
(DSC:Differential scanning calorimetry)

DSCの応用例としては、別項でも解説している結晶解析が主となるが、それだけではなく反応解析においても効果的な活用ができる。これは、ほとんどの化学反応が給発熱を伴うことを利用しており、DSCを用いることで熱の出入りを介して反応過程を解析することが可能になる。
例えば、簡単な例では熱硬化反応の解析では、反応開始温度や反応熱などの情報を得ることができます。もちろん、反応自体が吸熱反応であるのか、発熱反応であるのかということは容易に判別することができる。また、反応が1段階で終了するのか、多段で起きるのかや、急激な立ち上がりを示すのか、緩やかな反応であるのかなどの情報を得ることもできる。
このように、DSCでは現象論的な解析、速度論的解析を得意としているが、反応に伴う構造変化に関する情報を得ることは通常できない。これに対して、光学窓を有するDSC加熱セルも開発されている。すなわち、下図に示すような加熱セルを赤外分光装置にセットして、時間分解測定をすることで、DSCによる熱分析とFTIRによる構造解析を同時に行うことができる。
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また、熱分解や反応に伴うガス発生では通常熱の収支が起きることから、脱離種の同定はできないが、脱離温度や脱離過程の解析もDSCを用いて可能となる。

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