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示差走査熱量分析(DSC)の使用・応用例 熱履歴の分析評価 

 (DSC:Differential scanning calorimetry)

 
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 DSCにおいては、通常結晶が融解する温度(融点)で吸熱が起きることから下向きのピークが観察される。逆に、過熱過程で結晶化が起きると発熱(上向きのピーク)が観察される。したがって、これを利用することで試料の熱履歴を分析評価することが可能となる。


  • ベースラインが安定しない
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 例えば、樹脂製品が成型過程で徐冷されていた場合にはほとんど領域が結晶化することが多い。これに対して、急冷された場合には、結晶化仕切れなかった部分が非晶として残ることになる。すなわち、冷却プロセスの違いをDSC測定から解析することが可能になる。






 一例を挙げると、一般的な材料であるナイロン(融点:約260℃)をDSC測定すると、通常は融点である260℃付近に一つの吸熱ピークが観察されるだけである。しかし、1分間に数十℃という急冷を行うと、60〜70℃付近に冷結晶化に由来する発熱ピークが観察されるようになる。このように、DSC曲線から試料の熱履歴を知ることができ、また、その情報から処理条件の検討を行うことができる。


 



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