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なぜ企業に文化が必要か(企業文化の潜在的価値)


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 企業文化とは、潜在的な行動基準として考える、判断する、決定するといったことにおいて最も根源的な基盤となるものであることを説明した。すなわち、直接的に利益を生んだり、事業を生み出すものではないが、企業文化を育てるということは、その企業そのものの持続成長の基盤を育てるということに他ならない。

 ここではもう少し具体的に企業活動において文化がどのような役割を果たすのかということも踏まえながら、なぜ企業に分化が必要かということを考える。

 企業とは言うまでもなく組織であることから、多種多様な多くの人材が集合してそれぞれの役割を果たしながら活動している。様々な種類の人材によって構成されることは、企業としての多様性を生み出すことから持続的成長やイノベーションのためには必要不可欠なことである。昨今良く耳にする「トンガリ人材」など個性的な人材もこれと同じ考え方である。

 しかし、単に個性的で様々な考え方を持った人材が集まって、それぞれの考え方で行動してしまうと、組織としての意味は無く、企業は単なる殻でしかなくなり、ある時突然空中分解してしまう。一見すると360°あらゆる方向にベクトルが向いているように見えても、根っ子をみると一つの鉢に集まっていることで組織体としてのシナジー効果が生まれるのである。そして、この鉢を作っている土壌こそが企業文化である。一時的に違う方向に向かっていても足並みは揃っている、必要に応じて束ねることができる基盤となるのが企業文化である。

 数人の小規模企業であれば全てに目を行き届かせることも不可能ではないかもしれない。しかし、組織が大きくなればなるほど目が行き届かなくなり、都度の指示や確認ができなくなってくる。そのような状況を軽減するために、会議の数、書類やハンコの数が増えていう組織肥大化の弊害が生まれてくるのである。肥大化ではなくとも、小規模であってもずっと見ていることはできないので、意思疎通が不十分なための障害が発生する。

 このような場合でも、企業文化が育っていれば、考え方や判断の基盤は共有できているので、仮にズレが生じたとしても大きな影響を与えない。そして、安心して任せられる環境が整うことで、スピーディーで効率的な運営活動ができるだけでなく、任せることによる成長、すなわち正の人材育成スパイラルを産み出すことができる。

 また、個性という観点で見ると、企業文化は個々の人材においては前述のように多様性の元になる人材の個性を束ねるものであるが、企業という点においては企業自体の個性を産み出すものと言える。文化とは無意識も含めて、思想の根幹を形成するものであるから、すなわち、企業の考え方、個性の源である。この企業文化を形成する基本的考え方、個性が認知され、価値を見い出されることでブランドが生まれるのである。

 このように企業に価値(バリュー)を与える文化は、当然ながらその企業規模に寄らず大きな意味を持っており、必要なものである。小さいからその重要性は低いという考え方が間違っていることは前述の通りである。そして、文化とは言うまでもなく一朝一夕に醸成できるものではなく、時間をかけてゆっくりと成長するものである。したがって、企業として生まれたその瞬間から意識していかなければならない。逆に、大きくなってしまってからでは、勝手な文化が乱立して個人商店の集まり状態になって収拾がつかなくなり、場合によって荒療治でクラッシュ&ビルドが必要な事態になってしまう。また、このような発散状態になってしまうと、得てして意識ベクトルが内向きになってしまい、派閥形成にとどまらず、内乱や分裂にまでなってしまうケースも珍しくない。

 冒頭述べた通り、企業文化とは直接的に利益を生んだり、事業を生み出すものではなく、具体的、直接的にその意義を認知したり、意図的に利用したりすることは難しいものではある。しかし、間違いなく企業そのものの持続的発展と成長の基盤を形成するものである。


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