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二つの組織 : ピラミッド(階層)型とフラット型


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 もっとも一般的な組織の形態がいわゆるピラミッド型、階層型と呼ばれるものである。部長−課長−係長−リーダー−担当者といった階層が一般的であろう。このような形態の組織では、文字通りの上位下達、業務指示という形で足並みとベクトルの方向を合わせやすいという利点がある。また、逆に下層からの情報も上位職へ集約しやすく、実務と判断といった役割分担が明確で様々な人材が混在する中でも一体化しやすい。

 しかし、指示待ち、受け身的な状況を生みやすく、まずは上司の顔色を伺うというような内向き文化を生んでしまうことがある。そのため、なかなか異を唱えにくく、良く言えば一枚岩であるが、ブレークスルー、イノベーションを生まれにくい状況を生んでしまう。そのため、そういったことが可能な優秀な人材が流出してしまうということも起きる。

 また、管理職の能力によっては誤った判断がされることがあるなど、良いことも悪いことも管理者に依存してしまう。従って、あるべき姿を実現していくためには、相当に優秀な人が少なくとも組織の数だけ必要ということになる。しかし、現実には数が揃わず、妥協することになって停滞が起きてしまうのである。

ピラミッド型組織の対極とも言える様態が、フラット組織である。明確な部署や役職による階層(ヒエラルキー)を設けず、プロジェクトやタスクフォース型でチームが形成され、チーム内で適任とされた人がリーダーとなる、有機的な形態である。ベンチャー、特にIT系企業で見られることが多い。

 確かに、一見すると必要に応じて最適なチーム(部署)とリーダーが生まれることは理想的であり、その理解に間違いはない。しかし、現実には本当にフラット組織形態で企業活動が最適に行われているケースは少ない。これはなぜか、いくつかの理由があるが、一つにはフラット組織でプロジェクトが次々に回っていくためには、全ての人材がプロジェクトを立ち上げてリーダーをできるぐらいにハイレベルでなければならないことにある。全員がその役割をできつつ、同時に、担当者の立場でもポテンシャルを発揮しなければならない。しかし、そのように優秀な人材ばかりが集まることはよほどの魅力的な企業(有名なインターネット企業のように)でなければ難しい。結果、現実には特定の人だけがリーダーの役割を担うようになり、最終的には通常の組織形態へと落ち着いてしまうのである。これはこれで、最適組織を作ることを目的としているのであれば何も問題は無い。しかし、本来のフラット組織のポテンシャルを求めていたのであれば失敗である。

 そして、もう一つ理由を上げるとすれば、ベンチャーのようにゼロから出発であれば良いが、通常の組織形態からフラット化していくことは極めて難しい点がある。この障害の一つは、当事者となる従業員自体がフラット組織の有機性に付いていけないことにある。いくら頭では分かっていても、容易には切り替えられない。まさに別項で述べている「文化」であり、日々の活動自体がヒエラルキー型組織を前提にしているからである。分かりやすい例で言えば、決裁権の規定が根底から変わることに対応できるかということになる。

 組織形態は、上記のピラミッド階層型、フラット型だけではなく、その折衷型や全く異なる形態など様である。しかし、どの組織形態が一番すぐれているのかという議論をすることは無意味であることは自明である。重要なことは、各組織形態の特徴を理解して、自分達が目指す目的を達成するのにどのような形態が最も適しているかということを考えることである。そして、選択したその形態に固執するのではなく、企業としてのフェーズ移行と共に、その時に適した形へと変化してい事が重要である。



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