新規事業・商品企画から研究開発推進、現場の課題解決・改善、そして、、人材育成まで
ジャパン・リラーチ・ラボ(JRL)は、明日の飛躍をお手伝いいたします。
フレームワークの本当の使い方
フレームワークという言葉を耳にされた方も多いと思います。書店にもたくさんの本が出ており、人事研修などで経験した方も多いと思われます。フレームワークという言葉は聞いたことがなくても、MECE、フィッシュボーン、ロジックツリー(樹形図)といった言葉聞いたことがある方もいるかと思います。ここでいうフレームワークとは、IT分野、特にソフトウェア開発で用いられるものではなく、思考法、論理思考、ロジカルシンキングなどに分類されるもので、フレームワーク思考などと表現されることもあります。
定義は非常に難しいのですが、簡単に言うならば、考え方の枠組み、情報やアイデア、方法などを一定のルールに則って整理する本棚のような入れ物といえるでしょうか。例えば、何かについて考える時、計画する時などに、一定のルールに沿って典型的な枠組みによって分類して並べる(グルーピング)ことで情報を整理し、その相関関係を明らかにして思考を助けるツールということができます。キーワードとしては、ロジックツリー、フィッシュボーン、MECE、などがあります。
フレームワークの評価は、肯定的な意見と否定的な意見に極端に分かれることが多く見られます。人材教育分野の方、特に人材育成会社の方などは、当然ながら肯定的立場にあります。そして、人材研修などでも大きなテーマの一つとして長い時間を割いて解説と教育が行われています。これに対して、研究開発分野の技術者など実際にフレームワークを教育されて使う立場の人たちには、否定的立場の方や使えないという方が多いように思われます。
いずれにしても、最も気になるのは少なからず正しい理解がされていないということです。フレームワークという概念が使えないと否定することは間違っています。それと同時に、フレームワークは役に立つと人に勧めている人たちも正しい理解をして、正しく解説しているかは疑問です。彼らの多くは、状況よりも何よりも、フレームワーク在りきで進めようとする傾向が多く見られます。フレームワークの有効性については、役に立たないという結論が間違いであると同時に、多くのケースで正しく理解されていないという問題があるということも残念なことではありますが事実です。
最も大きな問題は、規定のフレームワークありきで考えているという点です。フレームワークとは、よく整理され、体系化されたテクニック(知識)の一つであるということを理解しておく必要があります。言い換えるなら、フレームワークとは一般化された平均的な答えの集合の一つであると表現することができます。すなわち、もう少し踏み込んで表現するならば、過去の事例に合わせた一般解のひとつであるとも言えます。したがって、全てが教科書などで解説されているフレームワークの型に当てはまるわけではありません。
そして、この「型」というものに惑わされているということがあまり理解されていないということも問題の一つにあります。フレームワークとは、決してロジックツリーやフィッシュボーンを指しているのではありません。それらはそこに含まれるものの一つでしかなく、事象を整理して大局的、俯瞰的に理解して、相関性を踏まえながら考えるという概念がフレームワークなのです。
フレームワークの功罪として、その完成度があります。実際にフレームワークを全く無視して、または、知らない状態で事象を図式化していくと、多くの場合いずれかのフレームワークの型に当てはまっているということは珍しくありません。そのため、全てを規定の型に当てはめて考えることがフレームワークであり、そうすることが必須であるという誤解が生まれてしまうのです。
フレームワークの完成度は極めて高いとは言え、イメージ思考に慣れないうちは、一つの良い例、考える取っ掛かりでしかなく、全てが当てはまり、ここに帰着するというわけでありません。したがって、重要なことは、フレームワーク、特に「型」に束縛されないようにするということです。そうすることで、手段(フレームワーク)と目的(課題の解決)が入れ替わるというような本末転倒な事態を防ぐことができます。
まずは、フレームワークやその型といった形式等に囚われずある程度フリーに進めていくことが必要です。そして、途中で振り返ったとき、行き詰ったときなどにフレームワークの解説を見て、例えば、使えそうな、参考になりそうなフレームワークの型があれば、それを利用すれば良いのです。
また、フレームワーク活用においてはルールなどありません。複数のフレームワーク(型)を組み合わせたり、独自に変形したりするなど、自分で独自の、自分専用、その目的専用のフレームワークを構築するつもりでやれば良いのです。間違ってもフレームパターン(型)を覚えよう、そこに無理に押し込もうなどとはしないことです。思考を進めていく中で、結果として当てはまるものがあれば、それを利用していけば良いだけです。そうやって、独自のものも含めてできるだけたくさんのフレームパターンを持つことで、自分だけのフレームワーク思考、すなわち、イメージ思考が確立できるのです。
決して、フレームワークに使われることなく、使うことを目標としてください。正しいフレームワーク思考の教育を受けることが重要です。是非、お問い合わせください。
ご相談、お問い合わせは、まずは下記までお気軽にお問い合わせ下さい
総合技術コンサルティング&人材育成
ジャパン・リサーチ・ラボ