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研究開発とストーリー


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 研究開発の始め方にはいくつかのパターンがあります。大きく二つに分類するならば、いわゆるニーズ型かシーズ型かということになります。ニーズ型は最終製品や使用目的が予め決まっており、その実現に必要な性能を有する物なり技術なりを開発することが目的ということになります。また、シーズ型の場合には、基礎研究などを発端として発見された理論や技術を元にして出口を探りながら研究開発を行っていくパターンなどが考えられます。企業の研究開発においては、前者のニーズ型、すなわち、ある程度出口を想定した上で研究テーマをスタートすることが多いと思われます。

 ただ、いずれにしても特に企業での研究においては目標、ゴールの設定が研究テーマのスタートには必要不可欠であると言えます。たとえシーズ型であり、最終的な出口が絞り込めていなくても、少なくともこんなことが実現できる(はずである)というストーリーが必要なはずです。

 このストーリーを考える上で非常に重要なことが一つあります。それは、そのストーリーが実現でき得るものであるか、勝つことができるストーリーであるかということです。

 そもそも研究とは、実現できるかどうか分からないものを扱うというのが基本です。必ず実現できると分かっているのであれば、それは研究ではなく開発フェーズとしてもっと川下側のセクションで扱うべきものです。したがって、研究テーマを始める段階で、そのストーリーが実現できるかどうか、勝てるかどうかなど分からないというのもその通りです。

 しかし、ここで言いたいのは、少なくとも予定通りにことが進めば実現できる、勝てるストーリーとして出来上がっているかということです。場合によっては、実現していく方法がまだ見つかっていないかもしれません。しかし、その場合でも、探索調査する方法、方向が定まっている、実験の方向性が定まっていることが最低限必要です。すなわち、実現に向けての現時点での課題が明確になっており、課題解決のための方法を想定できているということが重要なのです。

 これらのことは、当たり前のことであると言われる方もいるかもしれませんが、しかし、現実に目をやると勝てるストーリーになっていない、論理的に矛盾が散見される、論理の飛躍が見られるといったことが数多くあるのです。

 また、可能な限りゴールに向けての道筋が一本だけではなく、複数用意されていることが望ましいことは言うまでもありません。いくつかのストーリーについて、実現可能性を検討し、優先順位を付けて進めていくとき、一本の筋が駄目になってもすぐに別の筋に乗り換えられるようにしておくことが全体として良いストーリー作りといえるでしょう。

 スタートの時点では、正しいかどうかは分からないのは研究開発では当然とも言えます。重要なことは、そのような状況ではあっても、少なくとも想定どおりに進めばゴールに到達できる道筋を持って進み始めるということです。その上で、日々の実験の結果を元にストーリーを修整していきながら、実現可能性をより高いものへとしていくのです。

 また、研究テーマの決済を行うマネージャー層に必要なことは、そのようなストーリーが出来上がっているかどうかということを判断することです。そして、さらにそのストーリーが論理的に矛盾が無いかということを的確に判断していかなければなりません。往々にして人間は、ストーリーの中に入り込めば入り込むほど自分ではそのストーリーの論理的矛盾に気付かなくなるものです。したがって、マネージャーは冷静で客観的な第3者の目として、ある時には冷徹にストーリーの論理性を追求していくことが必要になります。

   
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