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製品・試作品分析 高次構造分析

 
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 ここでいう高次構造とは、結晶性コンフォメーション、(ミクロ、ナノ)形態、など化学組成は同じでも異なる性質を示す元となるような構造を指しています。高次構造は、無機物については結晶性非晶性などが明確に分かれていることがほとんどと言えます。また、その評価においてもX線分析などを中心に明確に結果を議論することができることも相まって、多くの場合比較的扱いやすいと言えるでしょう。

 これに対して、有機物の場合、結晶性といっても非晶も内包した不完全なものであったり、コンフォメーションなども流動的であり、一意的に定義できないようなケースも少なくないという意味において扱いにくい難しい対象であると言えます。しかし、有機物においても無機物と同様に、または、場合によってはそれ以上に高次構造によってその性質は大きく変化することから、これを明らかにすることは極めて重要であると言えます。

 結晶などの高次構造の場合には、無機物と同様にX線分析がその主役となるでしょう。また、これらに加えて、赤外分光法(FTIR)ラマン分光法などのの分光分析においては、コンフォメーションの違いによるスペクトルの変化を解析することでその高次構造に関する情報を得ることもできます。さらに、核磁気共鳴(NMR)を用いることによって、局所的な分子運動性を議論できることから、この情報を元に高次構造に関する情報を読み取るという方法も有効なアプローチの一つと言えます。このように、一般的にはいわゆる分光分析や回折などの方法を用いることで高次構造を議論することが多く行われています。

 分光分析ではミクロな分子オーダーの応答から高次構造を読み取ることになりますが、もう少し大きなサイズでの高次構造としてミセル構造などを対象とする場合には、光散乱法などが用いられることになります。これによって、ミセルサイズ分布や量などの定量的議論を行うことができます。また、有機物の場合には、結晶性といっても均一なものではなく、小さな結晶が非晶の海の中に浮かんでいるような状態もあり、そのような場合には、散乱法でも可視領域だけでなく、X線中性子線なども用いられることもあります。

 また、高分子などの場合にはその排除体積効果の影響などから、ナノサイズのポアを含んでいることがあります。さらに、最近では無機物においても自己組織化などの方法を用いることでナノポアミクロポアを含むような構造体が開発されています。これらも高次構造の一種と言えますが、これらの評価においても散乱法が主な分析手法となります。すなわち、通常の散乱法では周囲よりも密度の高い結晶や対象物による散乱を評価しますが、同様の考え方で周囲よりも密度の低いポアによる散乱を評価することで同様に解析することができます。したがって、ポア分析の場合にも通常の散乱と同様に、光、X線などが主に用いられ、この他にも陽電子散乱法も有効な分析手法として確立されています。ただし、いずれの場合においても散乱法では周囲との密度差を検出しているだけでしかないので、散乱因子が高密度物なのか、低密度物(ポア)なのかは原理的には判別できないことには注意しておく必要があります。

 高次構造解析においては、直接的に観察できるものありますが、よりミクロな構造の観察による間接的な評価であることも多いので、その点には絶えず注意を払う必要があるでしょう。しかし、高次構造は物質の性質を大きく左右するものであることから、必ず明らかにしなければならないものの一つではあります。


 

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