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製品・試作品分析 化学構造分析
化学構造分析ついては、対象物が有機物か無機物かによってそのアプローチはかなり異なってくると言えます。
無機物の場合には、組成や結晶構造などの情報を知ることでその構造をかなり追い込むことができるので、これらについて正確に正しく知ることが重要なものとなってきます。組成ついては、蛍光X線分析装置(XRF)、電子線マイクロアナライザー(EPMA)、誘導結合プラズマ発光分光分析装置(ICP-AES)などが情報を得るための主な分析手法となるでしょう。極微量の成分についても情報が必要な場合には、ICP-MSやイオンクロマトなど有効な分析手法となるでしょう。また、表面分析であるという事を十分に理解していれば、X線光電子分光法(XPS)やオージェ電子分光法(AES)なども有効な分析手法の候補となるでしょう。
結晶構造については、X線回折(XRD)などのX線分析が主な分析手法となり、その外にもラマン分光法などの分光学的手法も有効な場合があります。また、電子線回折なども無機物の構造に関する情報を得ることができ、透過型電子顕微鏡(TEM)などの電子顕微鏡の情報と合わせることで特定領域の構造を知ることもできます。
一方、有機物の場合には、組成についてはそのほとんどが炭素、酸素、窒素などから構成されることから、あまり重要な情報を得られることは多くありません。一般には、有機組成分析などの手法を用いて元素組成を知ることになります。これに対して、化学構造については有機物の同定も含めて非常に重要な情報となります。有機物の化学構造解析に最も多く用いられる分析手法としては、核磁気共鳴(NMR)や赤外分光法(FTIR)、ラマン分光法などがあげられます。これらの手法によって、有機物の骨格構造や官能基情報などを知ることができ、対象物の同定、反応物の構造同定などを行うことができます。また、対象物が微量であったり、薄膜であった場合には、表面分析手法であるX線光電子分光法(XPS)や飛行時間型二次イオン質量分析法(TOF-SIMS)なども選択肢となるでしょう。さらに、対象物が混合物である場合など、複雑な場合には有機組成分析のフローを用いて液体クロマトグラフィー質量分析法(LCーMS)、ガスクロマトグラフィー質量分析法(GC-MS)などを用いることも有効であり、さらに、これらの分離手法とFTIRやNMRなどを組み合わせることでも複雑な化合物の化学構造に関する情報を得ることができます。
個々の分析フローについては、対象物や目的などによって多岐に渡るためにここで詳細に説明することはできませんが、最も重要なことは、これらの様々な分析手法について、目的、知りたいことにあわせて適切に選択していくことです。もちろん、その前の段階として目的や知りたい事を自分の中で明確にしておくことは言うまでもありません。技術の進歩もあり、各分析手法共にそのカバー範囲が拡大しているので、少しぐらい選択を間違えてもある程度の情報は得ることができてしまいます。しかし、本当に有益で、真に意味のある情報を得るためには十分な検討の上で進めていく必要があります。
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