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研究開発と残業(真の効率化)


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 研究開発における時間管理は極めて重要なものであり、特に企業内研究においては主要な管理項目の一つとしてあげられます。しかし、そんな中で残業については野放し状態であり、ある意味では奨励すらされる状況にあります。この背景には、日本独特の文化、意識といったものも多大に影響しており、費やした時間が評価対象や判断材料となっている側面は否定できません。

 これには、研究という業務が非常に特殊なものであり、その内容を客観的に評価することがとても難しいということも影響しているとも言えます。もちろん、目標として設定した成果を実現することは理想とも言えますが、そこにばかり気を取られていると小さくまとまったテーマしか扱えず、ブレークスルーは期待できません。

 研究開発においては往々にして、できるかどうか分からない、時にはできない可能性の方が高いのではないかと思われるようなチャレンジングなテーマを扱う必要もあります。そして、実現不可能であるということが確認できたということも成果の一つであるというような解釈もできるのが研究開発の一側面でもあります。

 こういった意味合いから、企業において技術者の評価を行うことは容易なことではないとも言えます。そのために、これだけの時間と労力を費やして実行したということ、すなわち、残業時間が無意識の内に評価対象になってしまっている現状があります。言い換えると本当の意味での真の効率ではなく、ボリュームで判断していることにあります。

 あなたがもしマネージャーだとして、1週間で実現不可能とした報告と半年を費やして実現不可能とした報告のどちらを評価しますか?さらに言うならば、毎日深夜まで残業していた技術者とほとんど残業していない技術者、同じ報告内容ならどちらを評価しますか?

 決して、技術者の残業は否定されるものではありません。特に、近年のように人員削減や、予算削減が進む中ではそれを時間で補う必要が存在するのも事実です。しかし、問題はなぜ残業が日常的になっているのかという潜在的な部分を掘り下げているかどうかなのです。


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 研究テーマを設定する時に、目標とスケジュールは必ず決めているはずです。そして、それを元に日々の実験が行われていくことになります。しかし、現実問題としてどれだけの技術者が日常の中で計画をきちんと考えているでしょうか。全体の研究計画から落とし込んでいけば、日々の目標値が自然と定まってくるはずです。今週はここまで実行しておかなければならない、したがって、今日はこの内容を実行する必要がある。


 ここまでは、何割かの技術者は実行できていると思います。しかし、この先、今日中にここまで進んでおく必要があるのだから、勤務時間内に終えるにはどういう手順で進めていくのかという計画が考えられていないケースがほとんどです。重要なことは、「ここまで」を「この時間」で実行するということなのです。そして、そのための手順を考えることなのです。

 実験とは思うように行かないことが多いのも事実です。したがって、結果として時間内に終えることができなかったために、残業ということになった、これはある程度仕方がないことでしょう。問題なのは、始めから時間内に終える計画になっていないケースが多いということです。

 重要なことは、問題が発生しなければ定めた時間内に終えられる計画が存在するかどうかなのです。その上で結果として、思うように進まず時間がオーバーするということはある程度やむをえないことといえるでしょう。ただし、この場合もそもそもの計画に問題は無かったかどうかを検証することはとても大切なことです。より精度の高い計画を立てることができるということも技術者にとっては重要なスキルなのです。

 そして、そういったスキルを成長させる意味でも、マネージャー層も安易に時間を評価尺度として取り入れるのではなく、その内容、論理的な正否を正確に判断する能力を身に付ける必要があるといえます。費やした時間に重きを置かれるような風潮のある中では、どうしても技術者の時間思想もその流れに呑まれていってしまいます。

 技術者もマネージャーも、元来定まった時間内で目標を達成するということを良しとするような思想を持つことが大切です。特に、企業内の研究開発では、時間はそのままコストとして跳ね返ってきますから、時間管理の概念を絶えず持つことはとても大切なことです。

 ただし、だからいってがんじがらめの計画を作成させて、事細かに管理しすぎることは逆効果でもあります。技術者とは、ある程度自由な環境の中でこそ発想も豊かになり、良い成果が生みだせるものです。あまりに管理が行き過ぎると、見せるための計画、報告するための計画と実験になってしまうのでその点については注意が必要です。間違っても、中堅以上の技術者に毎日の報告を課すようなことをすれば、発想がシュリンクしてしまい、受身の技術者となって見せるための研究になっていってしまうでしょう。時には、ふらりと散歩に出ることができるような雰囲気も大切です。

   
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