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採用における新卒と既卒、そして、第二新卒


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 景気後退に影響された就職難の問題はいつの時代も起こりうる重要課題の一つである。ニートやフリーターといった問題の一端も、本人の資質的問題はもちろんあるが、景気に代表される外的要因も大きな要因である。特に、求人数の激減によって、新卒時に定職に就くことができなかった、いわゆる、既卒人材の就職難は想像を超えるものがあるとも言われる。ほんの1年の違い、長い就職後の時間と比較すればそれほど重大なものではないと思われるこの違いで就職の難しさは桁違いに異なると言える。企業によっては、新卒や第二新卒、中途採用に対しては積極的であっても、なぜか既卒に対しては門戸を閉ざしていることも少なくない。では、なぜ多くの企業は既卒者の採用を避けるのか。

 既卒者の採用に積極的ではない理由には様々なものがあると考えられるが、その中でも最も大きなものの一つが既卒という状態になっていることに見え隠れするリスクの問題があげられる。すなわち、既卒を避ける最大の理由の一つがリスクヘッジであるといえる。では、そのリスクヘッジとはどのようなものであろうか。

 新卒採用においては、別項でも述べているように学歴というものが大きなウェートを占めているのは周知の事実である。この理由もある意味ではリスクヘッジであり、重要視するに値するほどのスキルを身につけている新卒者はほとんどいないという状況では、大学における教育内容、すなわち、大学そのもののが持つ価値を採用するしかない。また、そのような大学は一般には難関とされることから、そのような難関大学に合格するための勤勉性や基礎的素養といったものに期待するのである。

 しかし、このような新卒採用における理由付けを見る限りにおいては、既卒者もほんの1年の違いだけであることから、新卒者と魅力的には大差ないはずである。にもかかわらず避ける背景には、リスクが存在するのである。そう、このリスクとは、新卒時に就職することができず、または、就職せずに既卒という状態になっていること、言い換えるなら、就職できなかった理由にリスクを感じるのである。その大学の卒業生がすべて就職することができなかったのであれば、ある意味、学歴の問題という理解もできる。しかし、実際にはけっしてそのようなことはない。であれば、なぜ採用の対象にならなかったのか、ひょっとすると何らかの問題があったために採用を見送られたのではないか、というリスクを採用担当者は当然ながら懸念するはずである。そう、すなわち、なぜ既卒なのかという状況そのものがリスクなのである。

 確かに、中には目的を持ったキャリア形成のために新卒時に就職をしなかったという者も稀には存在する。しかし、そのような確固たる考えを持った者は、当然ながら既卒者の就職の困難さも踏まえて誰もが納得できるようなキャリア形成のための時間として有効に活用する。また、様々な手立て、例えば、場合によっては休学はもちろん、敢えて留年するという方法、などの様々な手段によってリスクヘッジを考えるものである。さらに、場合によっては何らかの目的を創造して、または、極論すれば新卒という地位を手に入れる手段として専門学校などに入学するということも含めて選択肢と考えることもできる。もちろん、後者のやり方は正論としては賛否あるが、様々な情勢を分析し、自分にとって最善と考えられる方法を見つけ出して行動するというやり方は十分評価に値するといえる。また、卒業後の活動での社会的認知(世間に知られる、言い換えるなら就職したい会社の担当者でも知っているぐらいのレベル)についても十分に戦略を立てている。すなわち、そのような者はたとえ既卒であっても、その理由や価値について論理的な説明ができる、既卒である自分を敢えて採用するメリットを説明し、理解させられるキャリアパスを考えているのである。

 しかし、世間で話題になるような既卒者の多くはこのような確固たる明確な理由のない者がほとんどである。何かをするために目的を持って敢えて就職しなかったのではなく、出来なかったのである。このような者に対しては、前述のような努力をせず、なんらの価値を認められるような理由もなく、漫然と卒業して、既卒になっていると認識されてもやむを得ないと言える。そのような、ただ年をとっている、しかし、社会人(企業人)経験もない、しかも、卒業後の経歴に論理的な理由付けも無く、成果もない、という人間をわざわざ採用することにメリットがあるとは言い難い。果たして、そのような人間を敢えて採用したいと考える企業があるだろうか。


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 そもそも、日本の学生の多くは大学を就職予備校程度にしか考えておらず、企業側も採用時の判断基準程度にしか考えていないというのが実態である。そのような中で、個々の詳細な事情を把握することが難しい採用担当者が既卒者を見るときには、是非はともかくとして、就職できなかった理由の多くは、大学のレベル、専攻、研究内容、そして、本人の資質にある、すなわち、採用の価値がないと判断された者と考えられてもやむを得ない。


 実際に就職難と言われてはいても、魅力ある大学や研究室、研究成果を上げた学生はさほどの苦労もなく望む職を得ている。このような学生はけっして大学を単なる就職予備校とは考えていない。しかし、就職に窮するような学生はそのほとんどが大学を就職予備校程度にしか考えていない。しかし、その割には、明らかに現実問題として就職に有利とは言えないような大学や学部、専攻を単に入学できるからという理由だけで選択しているケースが少なくない。例えば、マイナー大学でマイナー学部のしかも、マイナーと言えるような分野を専攻し、ほとんど実体のない同好会の単なる構成員であった学生が、企業にとってどれだけの魅力があるだろうか。そんな学生の採用は、新卒でも企業にとっては高リスクなのに、既卒ともなると爆弾以外の何者でもない。だからこそ、既卒はリスクヘッジされるのである。

 もちろん、本人の問題ではなく、内定取り消しなどの影響を受けて望まずに既卒になってしまったものもいるであろう。確か、直接的な原因に対して本人の責任はないとも言える。しかし、厳しい言い方をすれば、内定取り消しといった手段に出るようなグレーな企業を見抜けなかったという点は否定できない。

 このように、既卒者には厳しいことではあるが、真実の詳細を把握することが困難な採用側にとってできることはリスクを回避することしかないのである。だからこそ、安易な進学を選択するのではなく、将来のキャリアパスを早い段階から明確にして、日々修正しながら自分の価値を高めていくことが重要なのである。そして、間違ってはいけないこととして、必ずしも企業などの団体に所属することだけがゴールではないということである。自分の目的を達成する、自分の価値を真に活かせる場が無いのであれば、例えば起業のように自分で創造するということも考えてほしい。

   

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