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フーリエ変換赤外分光法(FTIR)の原理・特徴(スペクトルサーチ)
(FT-IR:Fourier Transform Infrared Spectroscopy)
赤外分光法の特徴として、古くから活用されているということも手伝って、数多くのスペクトルデータベースが存在していることがあげられる。各ピークに対する帰属はもちろんのこと、新規物質も含めて標準スペクトルは日々増えていると言っても良い。したがって、これらを上手く利用することによって赤外分光法のハードルとなっているピーク帰属などの定性分析を行うことができる。
これらのスペクトルデータベースは従来紙ベースであったことから、試料と類似するスペクトルをデータベースから探し出すことにはそれなりの労力も必要であった。しかし、近年のコンピューターの発達によってスペクトルデータベースは電子化され、さらに物質名やスペクトル類似性による検索もコンピュータを用いて容易に検索することが出来るようになってきている。したがって、極論すれば赤外分光を知らない場合でも、スペクトルさえ得ることが出来ればある程度の定性分析が可能であるとも言える。
下記にスペクトルサーチの一例を示す。自動化されたスペクトルサーチは大変便利であり、近年では混合物スペクトルにも対応するソフトウェアも開発されている。しかし、その使用にはいくつかの重要な注意点もある。例えば、下図でも記載されているヒットスコアは一つの参考ではあるが、必ずしもヒットスコアが高いものがより正解に近いとは限らない。
これは、例えばノイズとシグナルの判別は基本的に無視されることなど、スペクトルサーチがあくまでも数学的なアルゴリズムによって一致度を判別しているためである。また、通常複数サーチアルゴリズムが搭載されているが、アルゴリズムによって結果は異なるので、それぞれの特徴を理解した選択も重要となる。
このように、スペクトルサーチは便利な道具ではあるが絶対的なものとして盲信するべきものではない。当然ながら解析に値する良いスペクトルを得ることはもちろん、その真価を活用するためには使い手のスキル、すなわち、赤外分光やスペクトルサーチに対する理解が極めて重要となる。、詳細についてはデータベースやソフト、また、試料スペクトルの取得履歴等によっても異なるためここでは割愛する(スペクトルサーチでお困りの場合はJRLにお問い合わせください)。
また、市販のデータベースはあくまでも一般向けの物であって、当然ながら市販されている、多く利用されている基本的な材料などスペクトルデータベースとしての需要の多いものが中心となる。また、純品や履歴のはっきりとしたいわゆる「きれい」な材料である。したがって、実際の現場で見られるような、混合物や劣化物などはほとんどない。また、当然ながら開発品なども通常は含まれない。そのため、いざスペクトルサーチを行っても満足のいく結果を得られないことが少ないのも事実である。このような場合も含めて、必要な標準スペクトルは自らが収集、測定するということも考える必要がある。ほとんどのサーチソフトはユーザー独自のスペクトルをデータベースに取り込む機能を持っているので、そういったものを活用するのも良い。
スペクトルサーチを始めとした技術の進歩によって、赤外分光法活用のハードルの一つとなっていた同定を始めとした解析においても様々な進歩が実現され、その使い勝手は飛躍的に向上している。この他にも、FTIRの自由度の高さを利用して、様々な分野で利用されており、特に有機物の分析においては欠くことのできない分析の一つであると言える。
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