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測定面の指示

 
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 分析依頼において伝達すべき試料情報の代表的なところでは試料の表裏があげられます。全組成分析などのバルク分析であれば良いのですが、形態観察や表面分析などの場合には試料の表裏、正確には測定面の指示は極めて重要なことになります。

 シリコンウェーハのように鏡面と非鏡面があった場合、一般常識的には鏡面を表と考えてしまいますが、必ずしもそうとは言い切れません。加えて、必ずしも表が測定対象面であるは限りません。往々にして依頼主側では常識であることも、一歩外に出ればそれは未知の情報になってしまうということに気をつけなければなりません。

 したがって、測定面に指定がある場合には表裏、または、測定面を明確に伝えなければなりません。このように、試料が明確な面の違いを判別できる特徴を持っている場合には良いのですが、フィルムのなどの場合には表裏の判別は極めて困難となります。一般的には、このような場合マーキングをすることで面の判別を行うことになります。

 しかし、ここでも注意しなければならないことがあります。それは、マーキングの方法です。最も単純なマーキングの方法はマジックなどで表面や裏面に印をつけることが思いつきますが、原則としてこれは避けることが賢明です。特に、XPSやTOF-SIMSなどの表面分析の場合には致命的な問題となり、最悪の場合、分析用試料として使用できなくなってしまいます。この理由は、マジックインクからの揮発成分が汚染源となってしまうからです。

 では、どうすれば良いでしょうか。いくつかの方法が考えられますが、一つの方法としてはダイヤモンドペンなどの鋭いものをきれいに洗浄して、それを用いて何らかの印をケガク方法があげられます。この方法であれば、余計なものを汚染として加える懸念はほぼ排除できます。

 また、マーキングといっても○や×を記入するケーがありますが、これも場合によっては意味を成しません。透明なものの場合、どちらの面にマーキングされているかの判別ができないことが往々にしてあります。このような事を避けるために、例えば、「オモテ」や「ウラ」など片面からからしか読めない符号を記載することが有効です。文字数が書けない場合には、「F」や「P」、「3」など同様に裏からは読めない文字を書けばよいでしょう。

 ただし、フィルムなどのようにケガクことでマーキングが実施しにくいものもあります。そのような場合には、フィルムの周囲を切り欠くことで表裏を判別することができます。ただし、この場合も非対称に切り欠かなければ判別不能という事態に陥ってしまいます。
 例えば、正方形の試料を

   

と切ってしまうと裏表が逆になっても判別はできなくなってしまいます。しかし、長方形であればこの切り欠き方でも判別は可能になります。正方形の場合には、例えば、

      や   

と切り欠けば判別は可能になります。

 ただし、このような場合に陥りがちなミスとして、読める方が表なのか、裏なのか、測定面は読める面なのか、読めない面なのかを明確に伝える事を忘れてはいけません。マーキングしている本人は、測定面示す意味でマーキングしていることを半ば常識と認識してしまいがちですがそれは主観でしかありません。また、逆に汚染を少しでも避けて測定面と反対面にマーキングすると考えるのも主観です。依頼者と受託者の間で不要の誤解を生まないためにも全ての事柄を明示する事を心がける必要があります。



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